2024.6.12

不定期連載「コラボの原産地」第6回です。

コラボレーション商品を紹介することを口実に、
作家さんやアーティストさんのお仕事場やご自宅にお邪魔して、
制作秘話を対談する企画です。

今回インタビューさせていただいたのは、グラニフでも長くご活躍いただいている
絵描き・絵本作家の石黒亜矢子さん。
「STORIES:22 コラボの原産地 第2回」に続いてのご登場となります。
今回もインタビュアーを務めるのは、グラニフ ライセンスプロデューサーの石川です。

前回石黒さんのお仕事場にお邪魔したので、
今回はグラニフ東京内のグラニフカフェにてインタビューをさせていただきました。

ぜひ最後までご覧ください。

前回のコラボアイテムを振り返って

石川石黒さんとコラボさせていただくのは、もう7回目になります。ありがとうございます。毎回すごい人気ですが、前回の反響はいかがでしたか?

石黒さん(以下、敬称略) 前回もすごかったです!うちの子や子どもの友達からも結構反響がありました。

石川特にどのアイテムの反響が大きかった、などありますか?

石黒やっぱりMA-1ですね。あと、意外にマニアックなところで「キチキチサーカス団」のビッギーのニットが、ちょっと変な人たちに評判でした(笑)。

石川そうなんですね。あのニットよかったですよね、僕も着てます!

石黒そうなんです。ちょっと変じゃないですか、着るのに勇気が必要で、ソフビフィギュアを出してもらったキタンクラブの担当者さんも着てくれてました。

石川ありがたいです。前回のインタビューで、北野武さん風って話してましたもんね。

石黒そうそう。

石川前回は、ジャージのセットアップもありました。

石黒ジャージもすごくよかったですね。前回は全体的にバランスがすごくよかったので、あれもこれもが売れてしまって。今まで何回か出してもらう中では、正直、人気に偏りもあったと思うんです。でも前回は多分満遍なく全部がとてもよくて、びっくりしました。

石川そうですね、早くに売り切れになってしまうものもありました。再販しても買えない方がいらしたりしました。

石黒でも、再販を何度もしてくれたから、欲しい人には届けられたかなと。最初は転売に出されてしまったりしたけど、ちゃんと再販してるからこっちで買えるよ、と。

石川はい。再販に気づいてくださった方にはきちんと定価でお届けできるように、というところは意識しています。なので、グラニフのオンラインストアでリクエストボタンを押しておいてほしいです。

石黒そうですよね。転売のターゲットにされるぐらいなら、どんどん増産してくれた方がありがたいです。

だから、前回の反響にはちょっとびっくりしました!本当にすごかったです。結局は自分の絵だから、そんなに自信があるわけじゃなくて。

石川本当ですか?全部相性よくはまった感じがありました。

石黒デザインはそうでしたね。特にMA-1はサンプルを見た時点で「おおっ」となりました。シンプルな感じで仕上げてきたのには、もうすごいって思った。

だいたい私が何か口を出してしまうときって、余分に何かが付いちゃってるんです。例えば前回のようなMA-1だと、どこかに大きくブランドロゴが入ってしまったり。でも、最初のデザインから猫の絵がドン!と入れてあったので「これはわかってる…!」と思いました。

石川グラニフのデザイナーたちは、もちろん「お客様や石黒さんのファンにお届けしたい」っていう思いを第一に毎回デザインしているんですが、だいぶ「自分が着たい」という気持ちも乗っかっていたと思います。そして、そこに共感してくださる方もいらっしゃったのかなと。

石黒うん、そういうのが一番ですね。

「キチキチサーカス団」と描き下ろしキャラクターの物語

「キチキチサーカス団」
サーカスの秘蔵っ子・半獣半魚人ビッギーと共にサーカスを日々営んでいるのは…。

石川偶然ではありますが、前回のビッギーのニットが伏線だったかのように、今回は彼が所属する「キチキチサーカス団」をテーマにコレクションさせていただきました。今回の商品に付く下げ札も変えて新しく描いて頂いたこちらを使用させてもらいました。

石黒「ここを選んだんだ、さすがだな」と思いました。別に前回、一番に売れたわけでもない子にスポットを当てるんだ、と思って。

石川やっぱり、コレクションをひとつのテーマで「くくる」というのも大事かと思っています。風船やチケットなど、サーカスっぽいイメージでお店作りをしたいとも考えています。

そこで、そもそもの「キチキチサーカス団」について、一度ちゃんとお伺いさせてください。どういう団体で、どういう活動をしているのか、結成のきっかけなどもあれば、ぜひ。

石黒もともと「キチキチサーカス団」は絵本にする予定があって、ずいぶん前に一度打ち合わせして、お話も結構考えました。なので、一応のストーリーはできている子たちです。

ビッギーは「キチキチサーカス団」のピエロ。おどけ者で、いちばん不気味だけどおかしなことをするから、一応人気がある。スター選手です。

あとは、奇怪な生き物たちで構成されたサーカス団です。それは映画で見た、昔の見世物小屋のようなものがモチーフになっています。ビッギーのモデルになった体が男と女に分かれている人とか、双子の美女、小人、芋虫男。そういう子たちがいるサーカス団にしたいと思いました。異形なものたちが、がんばって見世物をして、サーカスをしている。そういうイメージです。

石川サーカス団なので、いろんな場所を興行して回っているんですかね?

石黒そうですね。毛むくじゃらの団長がいて、それがサーカス団を仕切ってます。サーカスものの作品によくある、檻をつけた車で移動して、みんな檻の中。だから、ちょっとみんなかわいそうなんです。でも、みんなはそこで満足して生きてる。端から見るといろいろ言われてしまってますが、本人たちはあまりそういうことは考えないで、サーカスの中でみんな楽しく生きてる。

石川本人たちは前向きなんですね!そこで働いて、ご飯を食べて、というのが日常なんですね。

石黒そう、みんな前向き。全然、自分たちがかわいそうだと思っていなくて、ただの職場だと思ってる。自分たちの居場所でもあるし。世間から見たら異常だから、そこしか居場所がない。そういう子たちです。

石川今回、商品に登場する個々のメンバーについてもお伺いしたいのですが、ご紹介いただけますか?それぞれ、名前はあるのでしょうか?

石黒実は、絵本『ねこまたごよみ』(ポプラ社)の子も混ざってしまってるんです。この子たちは団員ではないけど、ちょっと化けてアルバイトに来てるっていうイメージ。それから、今回ここに来てないサーカス団のメンバーもいます。

石川今回描き下ろしていただいた、サンダードラゴンキャットや、バイカー猫、被り物猫はどんな名前なんですか?

石黒まだ名前をつけてないですね。つけておこうと思います。

石川今回商品化させてもらった子たちは「グラニフ興行用の選抜メンバー」といった感じで来てくれてるんですね。全員個性的なので、ちゃんと紹介できたらなと思っています。

石黒はい。じゃあ、どんなショーをするかも、名前と一緒にお教えしますね。

  • ビッギー

    身体の半分が性格悪くて、半分が性格良い。時々左右で喧嘩をする。右側は有名なキャラクターに憧れている。

  • バイカーキャット

    バイクはカタツムリっぽい生き物(寄生されている)。マフラーから粘液が出ている。

  • サンダードラゴンキャット

    雷を発電させる龍を操る猫。

  • かぶりもの猫1

    犬の被り物をしておどける猫のピエロ1。

  • かぶりもの猫2

    犬の被り物をしておどける猫のピエロ2。

  • カンフーキャット

    生きている獅子舞を棒振りで操るカンフーキャット。

  • 湿

    虫やキノコが体から生えてしまう猫又の子猫。特別な才能がない。

  • 身体中から鉱物を出現させる猫又の子猫。鋭い鉱物で攻撃できる。

  • 魚に化けることができる猫又の子猫。水中を自由自在に泳ぎ回る。

  • 笑笑猫

    アリスで有名なニヤニヤ猫の亜種。ニヤニヤ笑いながら顔をグルングルンと回転させる。

石川ありがとうございます。この、今回描き下ろしのバイカー猫は、どんなイメージで描かれたんですか?

石黒バイカー猫は、私が上海で見た、丸い檻の中でめちゃくちゃ危険なことをやるという、すごいバイク雑技団のイメージです。

石川実際に生で見られたんですか?

石黒上海に遊びにいって友達と街を歩いてたら、バイクショーがやっていたので見てみたら、とんでもなかったですね。しかも舞台がすごい狭い。公園にある丸いジャングルジムみたいな中で、普通にバイクふかして、ぐるぐる回ってるんです。生で見ているのに、CGかな?って思うほどすごかった。私と友達の2人だけ「すごい!!」ってスタンディングオベーションしてたけど、他の人は危なすぎて引いてましたね(笑)。今は禁止になったみたいです。

石川すごい話!(笑)。

今回描き下ろしの作品についてはどのように生まれたのでしょうか?描き下ろしのアイデア段階で、雑技団のエピソードがあったから生まれたんですか? それとも、グラニフから描き下ろしを依頼したとき「あ、バイク描こう」と思ったのが、先でしょうか?

石黒依頼があって最初に、雷を操る「サンダードラゴンキャット」を思いつきました。その後は、ポップな洋服にするならデザイナーさんのお話のように「自分が欲しい」と思えるものがいいな、と思って「バイクに乗ってる何かが欲しい」と、バイカー猫を思いついた流れです。すごい、ドロドロしたバイクだけど(笑)。

石川すごい見た目ですよね、何を燃料に走ってるんでしょうか?(笑)。

石黒ちょっとカタツムリっぽいので、カタツムリが食べる葉っぱとか。

石川後ろから出てるガスなんかは、吸ったら駄目そうな感じがしますね(笑)。

石黒ガスっていうか、粘液かもしれない(笑)。

石川なかなか他に存在しない感じですね。

石黒そうですね…描いてたら、そうなっちゃいました。マヌケな絵にしたかったんです。猫ってマヌケなところがあるし、ちょっと頭が悪そうな感じにしたかった。

石川他にこだわりのポイントなどはありますか?

石黒この色ですね。寄生虫の色で…結構有名な動画があって、この色の、すごい気持ち悪いのがいるんです。

石川自然界でこの色になることがあるんですね?! この色になる寄生生物が実在するなんて、すごく怖いですね。

石黒そう。この色あいはそれがイメージです。だから、このバイクはどっちかというと生き物ですね。

石川機械ではなくて、生きてるような感じなんですね。

サンダードラゴンキャットは当初、「ナイフ使いにしようか?」みたいな話もありましたよね。

石黒言ってましたね。普通の絵なら描いていたんだけど、やっぱり「洋服になる」という前提があったから、一度はナイフで描いたんだけど、なんだかピンと来なくて。

私は雷が好きだし、猫って静電気の印象もあるから、「雷を扱う猫にしよう、雷を発電させる龍を操る猫にしようかな」と思いました。

石川デザインの紹介文を担当するスタッフに、描き下ろしてもらったこの作品を見せたら「この雷は龍から出てるんですか? それとも猫が出した雷が龍をかたどっているんですか?」と聞かれました。かなり難しい質問で答えを教えてください。

石黒どちらでもいいかな(笑)。漫画の『地獄先生ぬ~べ~』にも出てましたが、「管狐」という狐の妖怪の伝承があって、そんなイメージです。「猫が持ってる龍」という設定があるので、この猫しか使えない電流を発する龍、というつもりですね。

石川龍自体が呪具っぽい感じなんですね。その二つが掛け合わされたことで、電気が発生する、と。

石黒そうです。そういうことにしよう(笑)。

石川なるほど。電気があるから、サンダードラゴンキャットの毛も広がっているんですね。

石黒そう。ムシャアッとなってないときは、丸っとしてるかもしれない。後から思いつきましたが(笑)。

石川すっぴん状態みたいなのが存在するんですね、そちらも見てみたくなりました。いろいろと想像で補うのも楽しいですね。

石黒これから絵本の内容を考えますが、この子たちも出てきます。せっかく考えましたしね。

石川わぁ、うれしい!では、サンダードラゴンキャットのこだわりポイントとしては、電気ですね。かっこいい。

石黒元々ナイフ使いを描こうと思ってたところに、後から「雷の球」を操る子にしよう、それもまだ何か足りないなと思って、じゃあ龍を入れよう、と。そうやって後から後から付けていった感じです。

石川今回のような描き下ろし作品は、お願いしてから完成まで、どれぐらいの期間がかかるものなんですか?

石黒思いつくのはかなり早くて、依頼があって2、3日で思いつきます。ただ、そこからが遅いというか。仕上げまでに他の仕事もあったりすると、ちょっと遅くなってしまいますね。もし他に何もなく、それだけやっているなら、1週間もあればできます。

石川すごい!思いついた段階で、ほぼ完成に近い状態がイメージできているんですか?

石黒ラフは粗めですが、だいたい思いついた感じに仕上がります。以前は自分の思考が読めないから、大ラフを描いて、どのクライアントさんにも「ここからすごく変わるかもしれません」と出していたんですが、最近はそれもあまりないつもりです。だいたい「これで仕上がります」と渡しちゃいますね。

最近、大好きな映画スターの映画の仕事をいただいたんですが、映画を見てすごく泣いちゃって。ファンを自分と重ねてしまって、一瞬で仕上がりました(笑)。

石川もう「これ描きたい!」というのがあったんでしょうね。そういうのって、一番やりたい仕事ですよね。

石黒そうですそうです。お仕事したことを友達に話したら「おめでとう」と言われました(笑)。グラニフもそうだけど、そういう、自分にあってるものだと、すぐ終わります。

ただ、それでもお仕事では、どうしても条件が多くなる依頼もあって、そういうときはすごく悩みます。自分の本以外の、特に文庫の表紙の場合だと、構図から何から、逆に全部条件を出してもらうパターンもあります。ここにこれが入って、ここにこれを配置して、これぐらいの大きさで描いて、など全部、デザイナーさんの指示をもらいます。

石川なるほど、そういうパターンもあるんですね。これは、ほぼ僕個人の興味なんですが、漫画家さんのインタビューで「キャラが勝手に動き出す」という話がありますよね。石黒さんも、そうなることはありますか?

石黒あるかもしれないですね、妄想がどんどん暴走する、というイメージですね。絵本とかも、編集さんと話しながら考えるのが好きですね。

最初のアイディアは自分で出すんですが、そこから話が動いていくときに、お喋りしながら「こうなったら面白い、こうなったら笑っちゃう」っていう感じで進む。そうすると、編集さんが優秀なので、私が喋っていることを全部、書き起こしておいてくれるんです。私は片っ端から忘れちゃうので(笑)。

それを見ながら絵本を作っていって、描いて直して、描いて直して、とやっていくうちに「こう喋ったら面白いだろう」とか。そうしてキャラが仕上がってくると、「こう言いそうだな」とか、性格がわかる。漫画家さんほどではないだろうけど、そういうことは若干あるかもしれません。

石川本当は持っていきたい結末が別にあっても、「このキャラの性格だったらこうなっちゃったから、そうはいかないだろうな」ということも起きるんでしょうか?

石黒長くやっていると、あるかもしれません。漫画家さんで特に少年週刊誌で長くやっている方は、あるだろうなと思いますね。

石川今回のバイカー猫やサンダードラゴンキャットのように、描き下ろしで「Tシャツ用の絵」としてアイデアを出したキャラの場合でも、意志を持ち始める可能性はあるのでしょうか?

石黒描いているうちに「あ、この子はこうがいいな」となっていくので、絵が仕上がった時点で意思はあると思います。私の絵はもともと、顔つきに意思がとても出ているから。

石川キャラの表情から性格を想像するのも楽しいですね。新キャラたちのショーは面白そうです。

石黒描き下ろしのキャラたちはきっと、だいぶ頭がおかしいと思う(笑)。ショーもそうですね。元ネタがすごかったから(笑)。

Tシャツ、半袖シャツ、半袖パーカー

アイテム 01〜07

石川描き下ろしていただいたものが実際にTシャツになって、いかがですか?

石黒すごくいいですね。印刷がとてもいいと思います。

石川グラニフのシルクスクリーンの印刷手法が、石黒さんの作品とすごく相性がいいのかな、という気がしています。

石黒うん。びっくり箱ネコのTシャツのとき(第一弾のアイテム)みたいな感じで、すごくかわいいですね。

石川この手法だと、何回洗っても「印刷が割れる」ということはないんです。多少色あせは起きますが、いい経年変化で古着感が出ると思います。

石黒うん、めっちゃかわいいと思います、Tシャツになっても大丈夫な絵ですし。今回は、自分が好きなキャラたちを商品にしてもらってるから、個人的にもすごくうれしいです。

石川バイカー猫のアイテムはいかがでしょうか。

石黒いいですね。最初のサンプルでは黒い部分がやや白っぽくなっていましたが、ちゃんと黒くなりましたね。

石川そうですね。Tシャツと半袖シャツで同じアートですが、プリント手法が違うと印象が変わりますね。

石黒シャツの方は先に届いていて、うちの子がかわいいって言ってました。

石川いやもう本当、石黒さんとの商品開発においては、お子さんの意見が欠かせなくなっていますね。

石黒そう。やっぱり、私の年齢が上がってきているので、そろそろ「おばちゃんの意見」になってしまっている気がして。うちは10代の子が二人いるので結構ちゃんと見てくれます。特に下の子はファッションがとても好きなので。

石川まさにアドバイザーですよね。

ハットの場合、実際の作品と比べると、刺繍なのでどうしても絵が再現できてない部分が出てくるんですが、その点はいかがでしたか?

石黒これは絶妙ですね。判断はとても悩みました。これが自分の絵じゃなくて、別の作品だったらかわいいと思うんだろうな。ただ、元の絵を知ってるから、客観的に見られない部分もあって、どうなんだろう? と。

それで子どもに聞いたら「かわいい」と言ってくれました。結構、簡潔にバンッと言ってくれるんです。「全然かわいい、大丈夫」って。じゃあいいかな、と思いました。シアーシャツもそうですね。上の子が「これはかわいい」と言ってくれて、「そっか」って。

石川これは実際に着るのと、ハンガーにかかってる状態で見るのとでは雰囲気がまた違うんですよね。

石黒自分の絵って、やっぱり私の中で少しフィルターがかかっちゃうんです。それに最近、自分の意見にだんだん自信がなくなってきて(笑)。「これは絶対こうがいい」というものもあるんですが、今のファッションについていってない自分がいるから、そこまで口を出しちゃいけない気がしてきています。デザイナーさんの方がよっぽど今のセンスをお持ちなので、(提案されたもので)いいのかも、と思うようになってきました。

石黒この子はとても気に入っていて、オリジナルグッズでラバーキーホルダーを作りました。

石川めっちゃかわいいですね!

石黒白Tシャツを1着作りたいと言われたので「それならこの子がいい」と言ったら、使ってくれたのでうれしかったです。かわいいですね。

石川シャツの前のボタンを開けてもらって、中に着たこの子がチラっと見えるというコーディネートもかわいいかな、と思います。

石黒いいですね。

この子は、「猫で、犬の被り物をしてる」という設定です。一番初めは、動物の保護グループで、犬猫の保護をするための絵を描いて欲しい、と言われたのがきっかけでできた子です。それで犬猫を合体させたアイデアになっています。この子は結構人気があって、また違うところでも「この子のバージョン違いを描いてくれ」と言われています。

石川グラニフでも人気出そうですね。同じシリーズのこの子は半袖パーカーにも使わせていただきました。生地の厚みも含めて、着やすくなっています。特に若い世代の方に人気が出そうです。この型の評判がよく、人気の商品です。

石黒半袖パーカーや半ズボンのオーバーオールなんて、私たちの世代だとちょっとドギマギしちゃいますよね。

先日、子どもが古着屋巡りをしたいと言うので、一緒に歩いていたんです。そうしたらすごいシャツがいっぱいあって。みんなおヘソを見せたいから、バツッって切っちゃってあるんですね。しかも何の処理もせず切りっぱなしで、でもまあまあな金額なんです、古着なので。これにこんなにお金は出せない…と、そういうことがあって。だから、今何が流行ってるか理解できないってことなんですよね。スタイルがいい、ウエストが細いところを見せたいっていうのは、韓流のスタイルの流行から来てるのかな?

石川韓国からの流れっていうのはあるでしょうね、みんな見せてますよね。僕はお腹冷えそうだなと思ってしまうのですが、人気なんですよね。

石黒そういうことを言い出す段階に来てると、もうある程度はデザイナーさんに渡した方がいいんだよね(笑)。

石川当然、若い頃は「着たいファッションが正解」だと思うので、お腹のことなんて心配しないですしね(笑)。

石黒そうだよね。私も20代のときに1回だけすごく薄いタンクトップを着たら、出先で完全にお腹を壊して、何もできなかったことがあって。だから若くてもお腹は壊すので、やめた方が…と思ってしまう。女の子なんか特に冷やしたらいけない。

石川夏でも、建物の中はエアコンで寒いですしね。この業界にいるのにそういう発言をしていいのかどうかと思いますが(笑)。グラニフでもちょっとずつ、短い丈のウィメンズのパーカーなども出てきています。

石黒うちの子が探し回ってるのはいわゆる「ピタT」です。流行ってきてるみたい。

石川流行ってきてますね。ボディラインを出す形の。

石黒それから、うちの子は変わってるのかもしれないけど、パンタロンみたいな70年代のファッションを探していて。

石川古着屋じゃないと、今はなかなか見つからないですね。

石黒古着屋でもないんだよね。

石川僕も先日、ゴールデンウィークに、イベントの販売で店頭に立っていて普段よりお客様とお話する機会が多かったんですが、そういう流行はありますよね。大阪だから、東京だからという場所の違いではなく、もう時代なんだと感じましたね。

石黒時代ですよね。ピタTといったら昔、安室奈美恵さんみたいなファッションもとても流行って、みんな着てましたよね。見せパンとか、ハイブランドも出していて。

石川今は、あの時代より多様性というか、「個々に着たいものを着ていい」という時代なのは、すごくいいと思いますね。流行ったものをみんなでこぞって着るというよりは、好きな作品を着るんだ、という。だから、グラニフがやってきたことは、時代にあってきているなと思います。

アイテム 08〜09

石川今回刺繍のTシャツも作らせていただきました。サンプルを初めてお見せします。フロントは刺繍になっていて、バックはシルクプリントです。

石黒初めて見ましたが、前の刺繍がとてもかわいいです。後ろのプリントも、よくきれいに出してくれましたね。これは私のカラーの絵から線画を起こしたんですか?こんなにきれいに起こせるものなんですか?すごいな。私、描き下ろししてないですよね。

石川これはそうですね、データをいただいて。デザイン担当が頑張っていました。

石黒そうだよね。結構大きい絵だったから、そんなに繊細でもなくて、もっと粗く描いていた気がするんだけど。がんばってこんなにきれいに起こしてくれたんですね。この絵はね、すごく昔から描きたかったんです。本当に10代ぐらいから、中国の獅子舞が大好きで。まるで生きているみたいなんです。

石川あれはすごいですよね!

石黒ジャッキー・チェンの出演している『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズに、獅子舞が出てくる回があるんです。それがすごく好きで。獅子舞でみんなが戦うんですよね。いろんな流派が来て、一つのボールか何かを取った人が獅子王になれる。大小様々な獅子舞が出てくるんです。

石川獅子王かっこいいな。

石黒かっこいいでしょ。昔実際にいた偉人が出て戦うんだけど、すごい好きで。それ以外の中国獅子舞も大好きだったんです。

石川このTシャツの猫も、獅子王を目指しているんですよね。

石黒そうです。黒いのと白いのと2匹いて、獅子舞の前と後ろに入って。ただ、設定的には獅子舞自体も生きているので、中に入るということでもなくて、操るというか。

石川先導していってるんですよね。すごくいいTシャツになったと思っています。

石黒たくさん手に取ってもらえるといいな、かわいいから。

石川実はグラニフでは、夏のTシャツ、冬のTシャツと、意識して商品の仕様を変えています。夏はフロントやバックを気にせずそのまま着れるので、表裏でストーリー感を出したり、背中にアートを大きく入れるのもアリ。でも冬は上にシャツやカーディガンを羽織ったり、ジップパーカーを着たりするので、表に大きなアートを入れる。そんなふうにしています。やっぱりその方がお客様にとってもわかりやすかったり、求めているものだったりするので。これは夏に1枚でサラッと着ていただきたいものになっています。

そんな感じでもう一つ。こちらは大きめにプリントをしています。

石黒この子がこんなに注目を浴びるとは思ってなかった。

石川グラニフのデザイナーの女性陣に、この子がとても人気です。今回の猫たちの中でも、社内で圧倒的に人気でした。

石黒キノコとか、ドロっとしたのが好きな人、特に女の人には多い気がしますね。この子は、特別な才能がない子なんです。ただジメジメしていて、こういうものが生えてきちゃう子。他の猫又はみんな攻撃力があったり、水の中を泳げたりとかがあるんだけど、この子は何もない。だからちょっと陰気な顔をしてて、ただ、こうなっちゃうっていう。

石川本人的には、そのポジションで納得してるんですか?

石黒してないと思う。両親の絵も以前グラニフでTシャツにしてもらってます。父親が火山、母親が水という設定なんです。それが合わさって生まれたのがこの子。

石川この猫たちですよね。確かに攻撃力ありそうですね。

石黒他の子たちは結構、攻撃力あるんです。鉱石の子とか、雷の子もいて。牛になるパワー系の子もいます。私、『アベンジャーズ』も大好きだから(笑)。

石川そんな中でも、この子のちょっと鬱っとした感じが、人気でしたね。「一般的に女性が求めているものとは、違う可能性はない?」という話をしても「いや、この子が一番かわいいです!」って。うちのデザイナーたちがマジョリティーなのかどうかはわからないんですが(笑)。でも、みんながそこまで「自分の着たいもの」と言うのでこの子になりました。

石黒うん、みんな大好きなんですね。こういうキノコみたいなものをポコポコ生やしたくなるんです。

石川眼球から生えてるのとか、すごく怖いですけどね。

石黒どこからでも生えちゃうので、かわいそうなんですよ。虫も湧いてくるし、キノコも生えちゃう。だからサーカス団で、この子が出てきて歩き回ると、歓声というより悲鳴が上がるタイプの見世物になってます。

石川生活しづらそうですよね。煩わしそう。

石黒そうそうそう。ちょっと可哀想、鬱になる。

昔、童話で、姉妹がいて、妹が心優しくて、お姉さんがすごく意地悪という話があって。それで、妹が優しくしてあげたおばあさんが、「お前は心が優しいね、喋るたびに口からお花や宝石が出るようにしてあげよう」って、喋るたびに出るんです。それでお金持ちになれるんだけど、迷惑な設定ですよね(笑)。

石川もっと他にやり方あったよねという感じです(笑)。

石黒それで、お姉さんの方はおばあさんに意地悪をしてしまうので「お前は、喋るときに口から虫が出るようにしてやる」って。その話が、この子のモデルになっています。別にこの子は何も悪くないんだけど。

この子はまだ子猫で、ちっちゃいんです。どれぐらいの大きさの設定なんだろうな。一応、全員猫又だけど…。

石川猫又というと、通常、僕らが日々の生活で見る猫たちよりも大きいですよね。

石黒そうですね、普通の猫よりは大きい設定ではあります。

総柄シャツとボトムス、ワンピース

アイテム 10〜11

石川今回は「笑笑猫」総柄でシャツ、ボトムも作らせていただきました。

石黒これは使い勝手がよさそう。

石川そうですね。実は、世に出してなかっただけで、以前からこのパターンの柄は何回かご提案しています。石黒さんからもOKいただいていたんですが、最終のラインナップを選ぶときに、他にいい柄ができたからこっちにしよう、みたいな流れで毎回、隠れた次点になっていました。

石川それで、そろそろ出したいねと、今回ラインナップに入りました。僕らの中ではやっと出せた! という感覚です。

石黒もう何の文句もないというか。完璧ですね。

石川落ち着いた色味で、高級感もあります。それから、柄は個体差がどうしても出るので、お店に自分のサイズの在庫があれば、ポケットの柄の入り方で好きなものを、お探しいただけると楽しいと思います。

石黒ああ、ほんとだ。いいですね。

石川上下セットアップというわけではないので、シャツとボトムは色が少し違うんですが、あわせて着ていただけると思います。ボトムも履き心地がとてもいいですよ。今、僕は自分を客観視できないので、上下着たときにどういった存在感になっているのかは、まだわかっていないのですが、いかがですか?

石黒なんか…すごいよね(笑)。

石川なんかすごい、ということは自分でもわかります(笑)。

石黒あと、取材だからって一生懸命、着てきて下さったんだなというのは伝わってきます(笑)。

石川ボトムはベルトのところもかっこいいです。

石黒あっ本当だ、いいね。最近は上下あわせて着る人って、よくいる気がするから。

石川そうですね。セットアップで着てもおしゃれな印象になると思います。

石黒私の中では、やっぱり昭和の感覚だからなのか、セットアップで着ているっていうとちょっと…ソフトヤンキー、みたいな印象があります。でもやっぱり、今は流行ってきてるんですね。

石川いつの時代でも「ちょい悪」は人気ですよね。今はもう、セットアップはストリートスナップでもよく見ますが今撮影しているグラニフ東京は原宿のキャットストリートにあるので、後でストリートスナップやりましょうか?

石黒すごい猫が大好きな人になりますね(笑)。これは、普通にいいですね。

石川「日常に溶け込む」が正しい表現かわかりませんが、日々のワードローブになってくれそうだと思います。

石黒何か私たち、麻痺してない? 別に、これは溶け込んでない。絵的に変だよ(笑)。

石川グラニフ内でも、キーワードとして「これ着やすいね」という話が出るときがあるんですが、その「着やすい」の感覚はバグりつつあるのを感じます(笑)。

石黒絶対そうだと思う。自分の絵を見すぎてて、冷静に見たら「これ…頭逆さまなんだよな」って変なんだから(笑)。

石川シャツ単体は、着やすいと言われるものになっていますが、総柄という時点で「着やすい」とならない方たちも、世の中にはたくさんいますもんね。

石黒確かに。シャツは、男の人でも全然、着やすそうだけどね。

石川そうなんです。一回着てみると、自分の中で「これはあり」という幅が一気に広がると思います。騙されたと思って一度総柄を着ていただきたいな、という思いはあります。意外とテンション上がりますよね。

石黒うん、いいと思います。

  • アイテム 12

  • アイテム 01

石川次はワンピース。実はTシャツとはちょっと色が違います。雷を青にしているんです。

石黒本当だ、女の子に人気が出てほしい。めちゃくちゃロックだなと思うし、かわいいね。

石川あと、袖に刺繍もついています。

石黒あ、かわいい! これでギターとか持って…というイメージが沸きますね。

石川さらっと着てもらうと、かっこいい感じがしますよね。ということで、グラニフのスタッフに着てもらいました。

石黒あ、かわいい!ポケットもついてますね。スニーカーとも合うし、こういう着こなしをしてくれるとうれしいですね。

キャップ、巾着バッグ、スケートボード

アイテム 13

石川今回はキャップもあります。前回ニットで好評だったビッギーを、キャップに刺繍しました。この刺繍部分は実は、偶然の産物なんですよ。

石黒これ、かわいいね。偶然だよね、こんなふうになる予定じゃなくて。

石川元々はツバに刺繍が入る予定はなかったんですよね。刺繍工場で、勘違いがあってこの形で刺繍を入れてくれたんですよね。

石黒すごくかわいい。見たときに、珍しいなと思いました。

石川こういう繋がり方をしているキャップって、あまり見たことがないですよね。

石黒うん、だから、面白いことするなと思って。これ流行ってるのかな? って。もう、自分が知らないものは全部、流行ってるのかなって思いがち(笑)。

石川最初に石黒さんと「こういうキャップを作りましょう」とお話ししたものと違うので、本来はサンプルとして見ていただくのは違うと思ったんですが、仕上がってきたときに「これは見たことがなくて、いい!」と思ったので、一度見ていただこうかなと。そうしたら石黒さんにも気に入っていただけて。

石黒そうだよね、他では見ない感じ。これはかわいいと思う!

石川元々の予定より、見え方も面白いですしね。

石黒カットの仕方も、すごく面白いよね。

石川石黒さんとこれだけ長く一緒にやらせていただいていて、「偶然で生まれたものがいい」ということが起きたのは、想像を越えたものができた気がしてうれしかったです。

石黒そうですね、確かに。

石川あとは、お店に置いてあってもあまり気づいてもらえないかもしれないのですが、ビッギーのツギハギっぽい感じを、後ろに刺繍で入れています。

石黒うれしい。こんないいものを作ってもらって、ますます、この子の本、出さないと。

石川そこまで目立つわけではないんですが、意味がわかると、ちょっとうれしいところかなと思います。

アイテム 14〜15

石川そして、今回は巾着バッグも2種類作りました。ビッギーの柄もあります。

石黒これもかわいかった。自分でも持とうと思いました。結局私、この子が大好きだから。

石川ここまで大きく刺繍が入ってることはなかなかないので、これもすごくいいと思います。

石黒ビッギーの話をすると、この子は身体の半分が性格悪くて、半分が性格良いんです。

昔の昭和ロボット系アニメにこういう敵がいたね、って誰かに言われたことがあって。「何とか男爵」のオマージュですか? と言われて、えっ、何それ? って。知らなかったので検索したら、半分男、半分女の敵がいて、まさに私が考えていた設定と一緒だったんです。この子の場合は男女ではなくて性格の違いのつもりでしたが。この子たち、喧嘩するんですよ。

石川右と左でですか?

石黒そう。そういうシーンが既にあったんです、そのアニメに。それで、私は全然覚えていなかったけれど、昭和アニメがすごく身に沁みているんだなって感じました。

石川左右で違う性質のキャラクターのパターンは僕も見たことがありますが、でも一つの身体で人格は同じというものが多くて、人格まで違うパターンはそんなに多くない気がします。

石黒そっか、みんな考えるんだね。左右で人格が違うのは、その昔のアニメで喧嘩してたのをどこかで見たのかもしれません。

石川そういう騒がしい子なんですね。

石黒私たちから見て右側の子が性格がよくて、名前が似たあのネズミのキャラクターに憧れてるっていう設定です。

石川「ビッギーは名前が似たあのネズミに憧れている」って、「コラボの原産地」第2回でお話いただきましたけど、右側の子だけなんですね。

石黒いやあ、巾着かわいいです。

石川持ちやすさもあって、肩がけのストラップを付けていただくと、そのままショルダーバッグにもなります。時期的に、夏祭りや浴衣にもあわせやすいと思います。またそういう、あわせやすいとかっていう、感覚バグり発言かもしれませんが(笑)。

石黒ショルダーはすごいね。そうだね、全然あわせやすくはないかも(笑)。

石川でも、浴衣のときに持てそうな形じゃないですか。そういう意味では、「化け猫団扇」のデザインの方が使いやすいでしょうか。

石黒そうですね、こういうのは確かにありそう。浴衣にあわせやすそうで、かわいいですね。

石川もちろん、これが人気の柄というのもありますが。「あなたはどちらの巾着で出かけますか?」 という。

石黒コラボアイテムからの2択なんだ(笑)。

石川2択です(笑)。

石黒「化け猫団扇」といえば、この前、広島に行ったときに上下の服は無地で、靴だけこの子の靴にしたんです。

石川SNSで拝見しました。移動中に写真撮ってくださってましたよね。

石黒そう、飛行機かな? それで、すごいね、この靴。めちゃくちゃかわいいと思った。服が無地で、靴だけ顔がついてて、ズボンからここだけ見えると、すごくかわいかった。私でも履いていいというか。こういうものはどこかで「若い子の感じかな?」と思ってたんだけど、すごくかわいく履けてうれしかった。

私の描いた絵がこんなに長く使ってもらえるなんて、と思いました。描き始めた最初は、うちの子がまだ3歳とかだったから。一応、ハロウィンの黒猫だって言い張ってたんですけど、誰もそう思ってくれなかった(笑)。

石川かわいいですね。僕も今日、以前のキャップ被ってきました。

石黒かわいいよね。下の子がそれもよく被ってくれて、一度上から下まで全部この子のアイテムを揃えて出かけたこともありました。

石川そうですね、これまでのアイテムで全部揃えられますよね。

石川今回のコラボアイテムの最後は、限定店舗での取り扱いになるんですけれども、スケボーです。

石黒これ、すごくきれいだよね。背景を黒にするといいですね。

石川スケボーの存在感を超えるかも知れません。

石黒絵もはっきり出ていて、かわいいです。これは実際に使えるの?

石川もちろん、スケボーとして乗れるんですが、どちらかというと飾っていただく機会の方が多いと思います。あと、テーブルにする方もいらっしゃるみたいですね。長めの足をつけて。

石黒飾るか使うかしてほしいね。すごく印刷がきれいに出て、びっくりしました。できあがってきたら、すごくきれいだったから、よかった。

石川実物になると印象が変わりますよね。

石黒うん、全然違いましたね。

今回のコラボ商品まとめ

石川…という感じで、今回もたくさんコラボアイテムを出させていただきます。ありがとうございます。今見ていただいたもので違和感がなければ、進めて大丈夫ですか?

石黒OKです。サンプルも届いてますし、丁寧にやり取りさせてもらったので。こちらこそありがとうございます。

石川今回お見せしたアイテムの中で、石黒さんのお気に入りや、アドバイザーでもあるお子さん達の中での反応がよかったものは、ありましたか?

石黒全部はちゃんと見せてないんです。たぶん、一気に見せたら、どれがいいとかわからなくなるから。意外と上の子が「いい」って言ったのはこれです。

石川シアーシャツですね。ちょっと透明感があっていいですね。

石黒下の子が可愛いと言っていたのはハットです。私が気に入ったのは、シルクプリントのTシャツとシャツですね。やっぱりこれ着たいです。

石川石黒さんは、サンダードラゴンキャットのシルクプリントのTシャツと、バイカー猫のTシャツと、バイカー猫のシャツですね。やっぱり、バイカー猫は、ご自身が着たいと思って描かれたということもあって。

石黒そう、やっぱりこのために描き下ろしたから。それからやっぱり、このシルクプリントが好きで。

石川風合いがいいですよね。この子は、夏もいいですが、オールシーズンで着たいなという思いがあるので、秋冬のアイテムでもお目見えできればと思っています。一旦まずは、夏のもので楽しんでいただければ。

石黒そうですね、はい。

石川最初の方でも言いましたが、お店の装飾も、風船やガーランド、旗みたいなもので、サーカス団っぽい雰囲気に仕上げられたらと思っています。ウィンドウにもドンと大きく。原宿のキャットストリートや、大阪のグラニフ心斎橋にも出させていただきながら、本当にサーカス団が興行している感じにできたらと思っています。

石黒そんなにしてもらって、うれしいです。

期間限定コラボカフェ

石川今回は、グラニフ東京にある「グラニフカフェ」でラテアートも展開します。2週間ぐらいの期間限定で、ラテアートで石黒さんの絵柄が選べるようにと思っています。今から作って飲んでいただこうかなと思いますので、ご感想もぜひ、いただければ。

石黒はい、楽しみです。

石川福岡や博多が拠点の REC COFFEE (レックコーヒー)さんにグラニフのブレンドを作ってもらって、コーヒーメニューはすべてその「graniph Original Blend」がベースになっています。種類もたくさんあって、期間限定のものもあります。淹れるのが上手なスタッフがいるんです。

石黒すごい。もともとカフェの店員さんなんですか?

石川それが、もとは普通にグラニフの販売をしていたスタッフなんですが、技術を身に付けてくれたんです。

石黒すごい。器用じゃないと絶対できないですよね。

石川食べられるインクのプリンターみたいな機械があって、それでラテアートを作っています。

石黒あっ、かわいい。こんなのができちゃうんだ、すごいね。

石川よろしければ、ドーナツもどうぞ。DUMBO Doughnuts(ダンボドーナツ)さんのものです。

石黒すごい、大きいですね。誰かと分けて食べないと食べきれない(笑)。

石川ラテアートできました。

石黒むちゃくちゃかわいい! ラテアートって流し込んで描く印象があったから、こんなふうに細かく出せるなんて。すごい、かわいいですね。ケーキ屋さんで見るレベルの…やばいですね、びっくりしちゃう。

石川コーヒーが染みてきてどんどん沈むので、きれいに見える時間は実は短いんです。

石黒そっかそっか、急いで写真撮ったりしないとね。でもすごいな。家の近くにも来てほしいね。

石川コーヒーを出してるお店が、まだ原宿のグラニフ東京しかないので申し訳ないんですが。

石黒カフェコラボが始まったら、私も来ますね。

石川お待ちしております。

ストリートスナップ

石川せっかくキャットストリートで撮影しているので、本当にストリートスナップ撮りましょうか!

石黒ええー、じゃあ石川さんから。

石川僕もですか!?じゃあ、みんなそれぞれ撮りましょう!

石黒歩いている人に「ストリートスナップやってるー」って言われましたよ!

石川なかなかない経験ですね。

傘とMA-1など、今後の展開について

石川さて、楽しみな今後の予定ですが、今回のコラボとは発売日をずらして、実は秋ごろに傘やMA−1などの発売を予定しています。

傘 (写真は開発中のものです)

石黒流行に迷う話の続きですが、私、ビニール傘が流行っているのを知らなくて。びっくりしました。

石川そうですね、ビニール傘は他のコラボ商品でも評判がいいです。

石黒そうなんですね。昔、好きなデザインのビニール傘を持っていて、もったいなくて使えないまま大事にしてたら、全部骨から剥がれてバラバラに壊れてしまったことがあったんです。今もそのままとってあるんですが、その衝撃が忘れられなくて。そのイメージが刷新されていない部分がありましたね。

石川グラニフは、傘ブランドのWpc.さんと作っているので、かなり良い傘になっていると思います。プロトタイプになりますが、サンプルはいかがでしょうか?この傘なら、間違えて持って帰られることもなさそうですよね。

石黒ああ、確かに(笑)。

石川傘と同時期ぐらいに、MA-1も出したいと思っています。今回描き下ろしていただいたバイカー猫や、前回使ったイラストで、人気の黒バージョンを出すのもいいなと思っています。

前回のインタビューで、カーキのMA-1は『相棒』みたいなイカついイメージがあったけど、これはかわいかった!とお話ししてくださってましたね。

石黒話しましたね。私はやっぱり、このカーキが好みです。

石川以前のカーキのMA-1は、本当にとても多くのお客様にご支持いただいたので、前回カーキだからと敬遠された方に、黒でご提供できる機会になったらいいなと。

石黒私の好みだと、黒はまだちょっとイカついイメージがあるんです。カーキの方がまだ、一般的に着やすいのかなって。

石川…なんていうところで、この先のラインナップを組んでいます。またこの後、次回の相談をさせていただければと思います。

石黒試着したサンプル、着て帰りそうになっちゃった(笑)。今回も、ありがとうございました。

Profile

石黒 亜矢子

1973年生まれ。絵描き、絵本作家。主に創造の生き物、妖怪、化け猫などを描く。絵本、装丁画、挿絵、個展や企画展など、多岐に渡り活動中。猫と爬虫類の世話と部屋で映画を観ることが幸せ。

2024年9月から姫路、2025年2月から出雲にて『石黒亜矢子展 ばけものぞろぞろ ばけねこぞろぞろ』巡回展を開催予定。

株式会社グラニフ
ライセンスプロデューサー
石川 祐

グラニフのコラボレーション責任者。コラボ商品の企画立案から商品リリースまでを総合プロデュース。作家や作品に寄り添い、一人のファンとして、商品開発に取り組んでいる。趣味はエンタメ全般、他人の趣味の話を聞くこと。

編集:石川祐 / 文章:Kao / 写真:泉大悟

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